1月から3月に見た映画と読んだ本

まずは映画、3か月で合計59本!の、中から特に心に残ったものを。見た順。

 

スリーパーズ [Blu-ray]

ブラピ、デニーロ、ダスティンホフマン、ケヴィンベーコンとなかなかの顔ぶれ。但し話は重い。いたずらをしたことで少年院に送られた仲良し4人組が看守たちにレイプされ、大人になってから復讐をする話。復讐を試みるけれど、その過去を他人に明かしたくない4人は粛々と準備を始める。決してすっきりする話じゃないけど救いはあった。

 

アンナ・カレーニナ (字幕版)

キーラナイトレイって好きじゃない人は全然好きじゃないんだろうなと思うけどわたしは大好きだなあ。この映画、わりと評価が低いように思うけどストーリーにケチつけてるひとが多い気がする。トルストイに文句言えよと思う。ただの不倫の話だと思えばそこまでだろうけど、わたしはおもしろいと思う。映画自体の演出(舞台上で役者が演じているかのような演出)もちょっと特殊なんだけど、ドヤ?ええ演出やろ?的な押しつけがましさがなくて、面白い演出だなと好意的に見られた。何よりキーラナイトレイとその衣装、そしてイギリス英語の美しさを堪能できる。

 

  • pk

PK ピーケイ [DVD]

いやあさすがボリウッドって感じだった。きっと、うまくいくより私は全然面白かった。これぞ大衆娯楽映画、笑って泣けてすっきり気持ちいい!かゆい所に手が届くようなシナリオ、すぐに感情移入できる主人公とヒロイン、分かりやすいストーリーにとっつきやすい社会問題!映画を見終わった後に思わず拍手してしまう映画。今年の5本には入ると思う。

 

  • 雨の日は会えない、晴れた日は君を思う

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(字幕版)

引きずる系映画、というと語弊がある気がするけど、見終わった後の余韻がよくて、ぜんっぜん期待してなかっただけにこんなに心に触れたことに自分がびっくりする感じ。ジェイクギレンホールの演技が素晴らしいのは言うまでもなく、なんとも不思議な再生の物語。PKが友達に薦めたい映画だとしたら、こちらは好きな人に見てほしい、「この映画がわたしの心に触れましたよ」ということを知ってほしい、そんな映画だった。こちらも今年の5本に入りそう。何かにつけて見返していきたい映画。

 

プライドと偏見 (字幕版)

サイコー!!これはね、ハマるひとはハマる映画だと思う。ハマった。すぐ原作読んで原作もめちゃめちゃ楽しんだ。読了後またこの映画の良いシーンを見返した。ミスターダーシーがさあ、絶妙なのよ。このかっこいいのかかっこよくないのかよく分からない微妙なビジュアル、でも雨のシーンとか最後のシーンではキュンキュンさせてくる彼の演技、すばらしい。コリンファースとかも演じていたようだけどわたしのイメージでは絶対こっちの俳優さんだなあ。キーラナイトレイもエリザベスの茶目っ気のある感じにぴったり。姉の方が美人設定だけどリジーが一番美しいわ。姉のジェーンはねえ、女優さんがゴーンガールのあの女優さんで、わたしあの人もうあの役のイメージがあまりにも強すぎて腹にイチモツ抱えてるとしか思えないからジェーンの人を疑わないような人柄のイメージには合わなかった…

この文字数で分かるな熱量が。

 

ダラス・バイヤーズクラブ(字幕版)

ポップな映画かと思って見たら社会派な、わりと真剣な、でも真面目ってわけでもない、とっても良い映画だった。はあ~ヨカッタと思って見たら雨の日は~の監督と同じ人で合点がいった。

エイズで余命30日を宣告された主人公、彼とビジネスパートナーになる、同じくエイズを患うレイヨン。ふたりとも、カラ元気で明るいわけでも、ずっと暗いわけでもなく、百パー慈善事業をしているわけでも、百パーお金に走ってるわけでもなく、その曖昧な白黒つかない感じがとってもリアルでよかった。アカデミーの主演と助演を取ったのが納得のよい作品。

 

 

ということでお次は読んだ本でおもしろかったやつ。一応読み物っていう本として読んだ本は15冊。無職の特権!サイコー!

豊饒の海 第二巻 奔馬 (ほんば) (新潮文庫)

ひっさびさに読み返した。ちゃんと最後まで読み返すの最初に読んで以降初めてかもしれない。大体神風連史話で挫折する。あそこ毎回辛いんだよね。

わたしはやっぱり松枝清顕という人物を豊饒の海を通して探してしまうので、その点では春の雪後の3作の中で一番彼を感じられるのかな。本多もまだマトモ。夢日記で読んだシーンを目の前にするところとか、ほんと鳥肌が立つ!タイトルも美しい。この話に奔馬というタイトルを付けるの、本当に美しい。

 

高慢と偏見 (中公文庫)

ということで映画見た後すぐ図書館で借りて、読み終わっておもしろかったから手元に置いておきたいと購入した。この大島さんの訳もよかったと思う。最後の方は読み進める手が止まらんかったな。なんかタイトルからおかたいイメージの小説だったけど、なんてことないラブコメ映画のようなお話だった。素晴らしい。何度でも読み返したい!

 

嵐が丘(上) (岩波文庫)

上下巻という制度はいますぐになくなってほしい。なんで?なんでわける?このくらいの薄さの上下巻なら分厚くてもいいから一冊にしてくれ。いやあなんかすごい話だったな。なんでこんな話書いたんやろってずっと思いながら読んでた。なんとまあ荒んだあれこれを第三者の視点に立って語り聞かされるという体が良い。

 

  • 夏子の冒険

夏子の冒険 (角川文庫)

これわたしが今まで読んだ三島の中で一番ポップで軽くて読みやすかった。びっくり。命売りますはかなり読みやすい三島なのかとずっと思ってたけど最近レター教室読み返したらポップでそしておもしろすぎてこれが一番や…と思っていたところだったのにこんなにポップな作品がまだあったとは。そして三島の書く女性、レター教室もそうだけど生き生きとしてて本当におもしろいんだよなあ。夏子もだけれど、保護者3人衆とか本当に読みながらくすっと笑えて良かった。三島って難しそうだけれど…と思う人にはレター教室かこの本をお勧めしたい。個人的には前者の方が圧倒的におもしろいけど。まあレター教室には地の文がないので三島の小説が読みたいなら後者かな。でも金閣寺豊饒の海仮面の告白を読んでからそれを以て三島のポップ小説を読むという楽しさもあるからな。三島、おもしろいやん!って思えて。長くなった。